目にするすべてが、色を失う。
色の無い風景に迷い込んだら、奇妙な感じがするでしょう。
真っ白な鉛筆。ゴムの塊。
色が違うだけ。それだけだとしても、どうしても不思議な世界に見えてしまう。色彩を失った世界のものは、何か、間違っているような印象を受ける。
色の無い鉛筆は、本物の鉛筆を置くためのペンホルダー。軽そうなゴムに見えるのは、重たいペーパーウェイト。
無色の不思議さが生み出す感覚を、そのまま表現したかのようなデザイン。
見た目を裏切っているのでしょうか。それとも見たとおり、と言えるのでしょうか。
ハリー･アレン リアリティ デスクセット Harry Allen 2006 Reality Desk Set
花咲く文を、綴りたい。
自由に焦がれるような羽根を持つ、羽根ペンというものがある。
ならば花咲くような気分を誘う、フラワーペンがあっても良いだろう。
そんなストレートな思いが伝わるような、花を咲かせるボールペン。
ペンスタンドは、フラワーベース。
フラワーペン ホワイトアネモネ Emiko Kushida Tomodo Yoshii 2004ー06 Flower Pen，White Anemone
メールを開いて、封書を読む。
アイコンひとつをクリックして、メールをやり取りする時代。
葉書や封筒、忘れてはいないでしょうか。
そんな皮肉を感じずにはいられない、メールアイコンのレターホルダー。
リアルのメールも、開いてください。
レターホルダー コーレイ Koray Ozgen Letter Holder 1999
宇宙で使えない、重力。
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必然。
宇宙空間ではボールペンが、使えない。重力が、必要だからです。
ボールペンのボールは、重力で下方に引かれなければ、役に立たない。
下へ向けなければ、ならないのです。
欠かせない条件ならば、敢えて他にも、拡張。
下を向ければ、ペン先が出現する。
ノックもキャップも不要の、重力ボールペン。
必要不可欠の工程を、ひとつにまとめたデザイン。
下を、向ける。
ボールのために。そしてキャップの、代わりに。
gravity IDEA イデア グラビティ ボールペン
支えとなって、記していく。
ちょっとしたメモに、メモボード。
描いては消される、小さな黒板。
平らにおいていては見えにくいから、斜めに立っていれば良い。
必要なのは、チョーク。
欠かせないものを組み込んで、他の役割さえ兼ねさせる。
チョークをスタンドとして使う、一石二鳥のアイデア。
なくすことも、無いでしょう。
メモボード アントーン Anton Preis Memo Board
やわらかく、曲がっていく。
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ぐにゃり。と。
やわらかい粘土を曲げたかのように、曲がっている。
その曲線は美しく、そして個性的。
さらに。
究極のユニバーサルデザインを目的として作られた、意味のある形なのです。
頭をもたげているからこそ、画面が見やすい。シンプルな、理由です。
なぜ折れ曲がるのではなく、ぐにゃりと、曲がるのか。
優しく、柔らかく。それがユニバーサルデザインだから、では無いでしょうか。
YUEN'TO ユエント エッジデスクトップカリキュレーター
中身と外見と、どちらが大事か。
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機能は欲しい。けれど、邪魔になる容積は、いらない。
もちろんそんな要望は、かなえられるはずが無いのだけれど。
こと電卓に関しては、少しだけ、かなえられたかもしません。
スペースを、必ず必要とするものがある。定規。長さそのものが、価値だから。
ならばそのボディを利用する。その体積の中に、埋め込んでしまおうというアイデア。
少し卑怯な、寄生関係。
共存、でしょうか。
中身は無くてもかまわない、形が必要なものが定規。
外見は無くてもかまわない、中身が必要なものが電卓。
仕方の無い付属品としての、それぞれの外見と中身。
合わせることで無駄を無くした。やはり、共存関係と呼びましょう。
LEXON レクソン RULERCAL 電卓＆定規 ホワイト ブラック Nina Tolstrup ニナ トルスタープ
マウスで自在に描く、絵のように。
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マウスで自在に絵を描くように。
曲線を描きながら、ドラッグ。
クリックしたまま、紙の上を滑らせる。
出来上がるのは、二次元の絵。ただし、画像ではありません。
切り絵を作り出す、アナログなマウス。
カッターなのだ、と一目で気づく事はできるでしょうか。
マウスのほうが、ペン型よりも描きやすい。
意外な、真実。
紙キリムシ
上下ふたつが、ぶつかります。
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ハサミは危険な、切断道具。握ることさえ、難しい。
上下の刃を、合わせる。そのために必要とされる最低限の動作は、握る、ということ。
それは力を必要とし、そして危険を伴っていた。
カスタネットが奏でる音色は、上下のパーツが合わさる音。幼い子供も、たしなみます。
見逃されていた、ユニバーサルデザイン。
机に置いて、カスタネットを鳴らす。紙を切るのに必要なのは、ただそれだけのこと。
誰もが知りながらつながらなかった、カスタネットとハサミの関係性。
カスタネットはさみ銘木ハンドル けやき
守るものは、挟んで離す。
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ホチキスに、似ている。
けれど役割はまるで違う。ホチキスは留めるもの。これは、バラスもの。
ハンディシュレッダー。
ストレートもクロスも、カット方法は自在。
巨大なシュレッダーに割くスペースは、必要ないのです。
プライバシーを守るのは、最小限のデザイン。
Gav ハンディーシュレッダー
idea the design
